救命設備

 当センターでは、発足当時より救命設備の型式承認試験を実施してきました。

 型式承認の対象物件のうち当センターで試験をおこなっている物件は、救命浮環・イマーション・スーツ・耐暴露服・救命胴衣・救命胴衣灯・救命いかだ・作業用救命衣等多種類になります。

 上記物件の中で、救命胴衣の試験の依頼を1番多く頂いています。また、平成30年2月1日から救命胴衣の着用義務の範囲が拡大されるため、救命胴衣の試験のお問い合わせも以前より多く頂いています。

 救命胴衣の型式承認試験は、大きく分類して、材料試験と製品試験に分類されます。救命胴衣用の材料、覆布、気室布、ベルト、バックル、糸は、初期状態及び耐候試験後も一定基準以上の強度が要求されます。膨張式救命胴衣では温度繰り返し試験として、+65℃及び-30℃の周辺温度に交互に各8時間さらすことを1サイクルとして、合計10サイクル繰り返したあと、製品に収縮、亀裂等の損傷の兆候がないこと、規定の浮力を有すること、等を確認します。膨脹式の救命胴衣は炭酸ガスで膨脹させるため、一般に低温状態では膨脹速度が遅くなります。そこで寒冷下でもこれらの機器が定められた機能を発揮できるか確認するため、膨脹式救命胴衣では、-30℃以下の周辺温度に8時間以上さらす後、正常に膨脹して機能するか確認します。

 救命設備は、人命の安全を確保するための最後の手段であり、想定されるどのような環境下でも、その性能を発揮できなければなりません。そのため構成材料及び製品の試験基準では、様々な環境下での作動試験や劣化評価が含まれています。また、本来あるべき性能の試験も必要とされます。救命胴衣については、その浮力、被験者が、着用しての浮遊試験は、救命胴衣の使用が必要な場合の本来的な性能を確認します。

 

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 以上のように救命設備の型式承認試験では、その設備の使用者が救助されるまでその人命確保するため様々な試験が要求されています。その内容は、型式承認基準に定められています。対象物件により試験が異なりますので、個々の物件につきましては、お問い合わせ下さい。