製品安全評価センターは創立50周年を迎えました

 

1.所長挨拶

 製品安全評価センターは、2022年11月に創立50周年を迎えることができました。

 1972年11月に「船舶艤装品試験所」としてスタートし、翌年4月に(財)日本造船技術センターから(社)日本船舶品質管理協会へ移管されると同時に「船舶艤装品研究所」と改称され、「艤装研」の略称で活動していましたが、2002年5月に業務内容の多様化に対応して「製品安全評価センター」を通称とし、2005年4月に正式名称といたしました。

 名称は時代とともに変化していますが、創立の趣旨「船舶の艤装品・船用品に係る試験等技術的な支援を行うことにより、それらの開発、性能向上に貢献する」に忠実に型式承認や製品の開発改良等に必要な試験サービスの提供、技術基準の制定・改定にあたっての技術的な支援等を一貫して行って参りました。また、海事分野で培った試験技術を広く他の産業分野の製品開発や品質向上に貢献すべく試験サービスを充実して参りました。

 今般、創立50周年にあたり記念誌をとりまとめ、本HPでも公開いたしました。創立50周年記念誌においては、50年間の沿革、直近20年間(2002~2022年)の試験研究事業(試験、調査研究、技術支援等)の動向をとりまとめるとともに、現在のセンターの状況を紹介しております。ご覧いただければ幸いです。

 ふり返りますと、センターが創立された1972年当時は新造船ブームの最中でしたが、その後、70~80年代には2度の石油危機、プラザ合意による円高不況等をきっかけとした2度の造船設備処理を含む構造調整の実施、90年代以降は韓国、中国の台頭による競争の激化等、我が国の造船業・舶用工業を取り巻く環境は大きく変化し、好不況の波に揉まれながら、全般的には現在に至るまで厳しい状況が続いています。

 他方、大規模な海難事故の発生、地球規模の環境問題の深刻化に伴い、船舶に関わる安全・環境規制の強化や情報通信技術をはじめとする技術の急速な進歩を受けて、艤装品・船用品に関わる技術基準・規格も大きく変わってきています。

 SOLAS条約関連では救命設備の要件強化、GMDSSの導入、防火要件の強化、危険物輸送の規制強化等、MARPOL条約関連では、油等の排出規制の強化、フロン・ハロンの使用禁止、防汚塗料の使用規制、NOx・SOxやCO2等の温室効果ガス(GHG)の排出規制の導入等が図られました。

 この様な状況変化に加えて、船舶検査の合理化制度の拡大や認証制度の国際化が進展したことに対応して、センターでは、国や認証機関の試験所認定を取得してISO/IEC 17025(試験所の能力に関する一般要求事項)に基づく品質管理を行うことにより、顧客ニーズに対応した信頼性のある試験サービスの提供に努めて参りました。

 センターが創立50周年を迎えることができましたのは、偏に国土交通省、日本財団をはじめとする
関係者及び会員企業の皆様、ご利用いただいた企業の皆様の創立以来半世紀にわたる御懇切な御指導及び多大な御支援の賜物であると改めて感謝申し上げる次第です。

 センターの試験研究事業は、舶用製品の品質の維持向上や新製品の開発、ひいては船舶の安全、海洋
環境の保全の一端を担うもの、また、海事分野で培った試験技術を生かして広く他の産業分野の製品開発や品質向上に貢献するものと認識しております。これまでの良き伝統を踏襲しつつ、国際的な第三者試験機関としてさらなる発展に向けて努めて参りますので、今後とも皆様の一層の御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2.沿革

昭和47(1972)年11月
 「船舶艤装品試験所」として設立
 翌年「船舶艤装品研究所」と改称

平成10(1998)年12月
 国土交通省より海上人命安全条約(SOLAS)FTPコード(火災試験方法の適用に関する国際コード)に適合する
 試験機関として認定

平成15(2003)年11月
 (公財)日本適合性認定協会(JAB)より、「海上人命安全条約(SOLAS)FTPコードに係る火災試験」について、
 ISO/IEC17025に適合する試験所として認定

平成17(2005)年4月
 「製品安全評価センター」に改称

平成25(2013)年1月
 NIPPON KAIJI KYOKAI(Netherlands) BV(CLASS NKのオランダ法人)から、MED(欧州舶用機器指令)の
 定める試験が実施できる試験所として認定

平成27(2015)年11月
 温湿度環境試験、振動試験について、ISO/IEC17025に適合する試験所として認定

令和元(2019)年11月
 IP(電気機械器具の外被の保護性能)試験について、ISO/IEC17025に適合する試験所として認定

 

3.50周年記念誌

 50周年を記念して記念誌を発行しております。以下のリンクよりダウンロードいただけますと幸いです。冊子でご希望の方は弊所までご連絡いただければ送付させていただきます。

目次 ページ数
表紙・所長挨拶・目次 3ページ
1 概要 9ページ
   1-1 創立経緯・目的及び現状
   1-2 センターをめぐる20年の概況
   1-3 沿革 ≪年表≫
   1-4 組織・担当業務
   1-5 歴代役職員
2 試験研究事業 4ページ
   2-1 概要
   2-2 依頼試験・施設利用試験
   2-3 調査研究
   2-4 技術支援(国際会議・国内委員会等への参加)
3 試験設備 4ページ
   主な試験設備一覧[2021年度末現在]
4 品質管理 4ページ
   4-1 試験所認定
   4-2 品質方針・品質文書・品質目標
         品質目標一覧[2008~2022年度]
5 広報・デジタル化 2ページ
   5-1 パンフレット
   5-2 Webサイト
   5-3 デジタル化
6 資料 16ページ
   6-1 主な調査研究・国際会議参加・試験設備・試験所認定・広報等[2002~2021年度]
   6-2 官公庁・団体関係依頼試験研究[2002~2021年度]
付録 8ページ
   付-Ⅰ 試験種類・方法(解説)
   付-Ⅱ 写真でみるセンターの歩み[2002~2021年度]

 

以上