化学・環境汚染防止試験

危険物の海上運送にあたっては、運送される物質の危険性について充分な配慮が必要であり、国際海事機関(IMO)が危険性を考慮した上で「国際海上危険物規程(IMDGコード)」、「国際バルクケミカルコード(IBCコード)」等の国際的な安全基準を定めています。

船舶に起因する海洋汚染の防止に関する国際的な取決である「海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)」では、船舶の航行に起因する環境汚染(油、有害液体物質、危険物、排水、廃棄物及び排ガス)を防止するため、構造、設備等に関する基準を定めています。

製品安全評価センターでは、危険物が輸送容器の材質に及ぼす影響を調べる「影響評価試験」を行っており、その試験で培った危険物の取扱い知識を、他の化学試験にも応用しています。

更に、製品安全評価センターは、ガス検知装置の性能試験も行っています。

ガス検知装置は、船内各所における可燃性・有害ガスの存在の確認及びその濃度測定を行うガス、揮発性液体等を安全に輸送する上で必須の装置です。

環境汚染防止分野では、従来、油水分離器、油分濃度計の油分濃度を赤外分光分析法により測定して機器の性能を評価していましたが、赤外分光分析法は「オゾン層破壊す物質に関するモントリオール議定書」の規制物質に係わることから、現在は、ISO 9377-2(液化ガス色素分析:Gas Liquid ChromatographyGLC))により測定することとなっています。