振動試験

(1) 輸送振動

製品及び梱包の大きさにより試験機を選定する。製品の構造及び梱包は千差万別であり、簡単に規格化できない。実際に起きた故障内容と輸送実態に応じた状態を振動台で再現して対策を講じる。また、製品の耐振動性能(輸送中限界加速度)を確認する試験も実施し、その限界を表示するセンサラベルの条件内で輸送する格別な輸送方法もある。


(2) 使用環境振動試験

JISの振動試験、JG,各船級協会の型式承認試験がこれに相当する。一般的には製品の共振周波数を求め、その周波数で耐振試験を行う。
 例えば、JGのGMDSSの救命設備(EPIRB,双方向無線電話など)の場合掃引試験として、5~12.5Hz;変位±3.2mm,12.5~25Hz;変位0.8mm、25~50Hz;変位0.2mmにて15分の掃引をX,Y,Zについて行い、次いで、共振点での耐振試験を30分行う。また、JGのレーダーなど航海計器は、掃引試験として、2/5~13.2Hz;変位1mmで、13.2~100Hz;加速度7m/s2で試験を行い、耐振試験として共振点で2hの試験(共振点なき場合は30Hz、加速度7m/s2で2h)を行い、後に作動試験を行う。
船級協会では概ね、2~13.2Hz;変位±1mm,13.2~80/100Hz;加速度7.0m/s2で掃引試験(3方向)を行い、また、共振周波数又は30/50Hz以上で1.5h×3方向の耐振試験を行う。特殊品では変位±1.6mm,加速度39.0m/s2で2h耐振試験。
また、掃引周波数耐振試験、ランダム振動試験なども開発され、航空、自動車ではこの試験法が採用され今後発展するものと思われる。


(3) 耐震試験

地震に対する試験で、地震の卓越周波数の範囲内に製品の共振周波数があるかないか、地震の加速度に耐えられるかどうか確かめられる。試験は、共振周波数検索、共振周波数加振、主要な地震波シミュレート加振などによって行われる。

 

(4) 衝撃試験

使用時及び輸送時の衝撃を想定した環境試験。一般に、垂直落下式試験機で行う。大型の製品には自由落下式試験機(最大搭載重量200kg、98~980m/s2,10~20ms,半正弦波又は矩形波)を、小型で高衝撃を必要とする製品には空気加速式の小型試験機(最大積載重量90kg、147~19600m/s2,0.6~20ms,半正弦波)を使う。