環境試験(耐候性試験)

厳しい環境下で使用される機器や設備の試験では、想定される環境下での機能の確認や耐久性の確認が極めて重要になります。

船舶に搭載される機器及び設備の耐候性試験の基準、規格としては、型式承認試験基準の他、IEC 60945(航海及び無線通信機器並びにシステムの一般要求事項としての試験方法)が、適用されます。以下に、耐候性試験についてご紹介します。

 

1. 恒温恒湿試験

温度又は湿度、あるいはその両者の変化及びその繰り返しが製品に与える影響を確認するために、温度繰り返し試験や低温・高温下での機能確認試験を行います。

 

2. 塩水噴霧試験   

製品に金属部品が使われている場合、塩分を含む大気環境下でも機能が損なわれないことを確認する必要があり、塩水噴霧試験が行われます。

船舶の曝露部に設置される航海計器、船灯等の船用品等については、塩水噴霧試験を行う必要があります。

救命胴衣については、バックルの締具等に金属が使われている場合、塩水噴霧試験が必要となります。

 

3. 促進耐侯性試験

屋外で使用される製品を劣化させる因子としては、太陽光(紫外線)、気温、水分、NOx・Sox、粉塵等がありますが、そのうち紫外線、気温、水分による影響を試験体に過剰に供給することで屋外の暴露試験に比べて10~100倍の促進倍率で試験体の対候性の試験を行うことを「促進対候性試験」といいます。

耐候性に影響を与える重要な因子として太陽光、特に紫外線があげられます。

屋外での暴露試験により紫外線の影響を評価することも可能ですが、試験場所や試験時期により結果に大きな差がでること、再現性が乏しいこと、影響評価に長期間の試験が必要なこと等から、人工光源(キセノンランプ)による促進耐侯性試験を行うのが一般的です。